ピテカントロプス・エレクトス(通称「ピテカン」)
日本初のクラブ(ライブハウス、レストラン、ギャラリー)
音楽プロデューサーの桑原茂一と中西俊夫が、音楽にアートとファッションを結びつけて、東京から世界に発信することを目的に作った、ディスコではなく日本初のクラブ。桑原茂一は小林克也と伊武雅刀と一緒にラジオの音楽番組「スネークマンショー」のメンバーで、音楽をはじめとする多くの分野で活躍、日本のストリートカルチャーを牽引していました。「ピテカン」では米国80カ所を公演した「プラスチックス」(中西俊夫、立花ハジメ、佐藤チカ)のメンバーが新たに結成した「MELON」などのライブの他に、絵画展や美人コンテストなどのイベントが企画され、世界一格好いい人たちが集まるカルチャースペースでした。深夜までちゃんとした和食が食べられることも特徴でした。
2年弱の営業期間でしたが、毎日のように外国の有名人が来店し、キース・ヘリング、バスキアはサインを残しました。ビデオアートの父ナム・ジュン・パイクの出版記念パーティーはビッグイベントで、細野晴臣、坂本龍一、堤義明夫妻などが来店しました。岡崎京子の『東京ガールズブラボー』では10代の主人公にとって、日本一オシャレな敷居の高い、憧れの場所として登場しています。
バブル突入直前の東京は世界の最先端でした。