DOCOMOMOとは
Documentation and Conservation of buildings, sites and neighborhoods of the Modern Movementの略称で「ドコモモ」と読みます。
モダン・ムーブメントの推進に寄与した建築の歴史的、文化的重要性を訴え、その記録と現存建物の保存に関する活動を展開する国際的学術組織です。1988年にオランダで設立され、近代建築史研究者、建築家、保存修復家、建築エンジニア、都市計画家や行政関係者などが参加しています。1990年に第1回の国際会議(設立総会)が開催され、現在は本部(DOCOMOMO International)をオランダのデルフトに置き、73の国・地域が加盟しています。
DOCOMOMO Japanとは
一般社団法人DOCOMOMO Japanは2000年に発足したDOCOMOMOの日本支部です。1999年から日本建築学会の建築歴史・意匠委員会の中にDOCOMOMO対応ワーキンググループが設置され、DOCOMOMO Japan設立のための準備活動を進めました。
DOCOMOMO Japanは、日本近代建築の再評価のための活動を行うとともに、取り壊しが予定される近代建築について保存要望書を提出する等の保存活動、記録調査を行う活動に取り組んでいます。
DOCOMOMO憲章(アイントホーヘン・ソウル宣言)
1990 年の設立大会で採択され2014 年のソウル大会において更新された、DOCOMOMOの目的が以下のように憲章として制定されています。
- ・モダン・ムーブメントの建築に関する重要性を、一般市民、行政当局、専門家、教育機関に広めること。
- ・モダン・ムーブメントの建築作品の調査を進め、学術的価値を位置づけること。
- ・モダン・ムーブメントの建築、環境群の保存とリユース(再利用)を推し進めること。
- ・モダン・ムーブメントの貴重な建築作品の破壊と毀損に反対すること。
- ・保存とリユース(再利用)に対する適正な技術や手段の開発と専門知識の伝達を行うこと。
- ・保存とリユース(再利用)の調査のための基金の調達を図ること。
- ・モダン・ムーブメントという過去の挑戦に基づいて形成された建築環境を、将来に継承すべく持続可能なものとして探求しながら、新しいアイデアを展開していくこと。
日本におけるモダン・ムーブメントの建築
DOCOMOMO Japanは活動として、日本建築学会の協力をもとに「日本におけるモダン・ムーブメントの建築」を選定しています。選定は1999年からはじまり、2023年時点で280件の建築がリストアップされました。
ビラ・ビアンカの選定
2020年度の「日本におけるモダン・ムーブメントの建築」において、ビラ・ビアンカが選定されました。
その理由として下記が示されています。
- a.装飾を用いるのではなく、線や面の構成による美学が適用されている。
- b.技術の成果がデザインに反映されている。
- c.社会改革的思想がみられる。
- d.環境形成(広場や建築群の構成)という観点でデザインされている。